こんにちは、東環の邑上です。
「融雪装置」と聞いてどんなものを想像するでしょうか?
それは住んでいる地域によって様々と思います。
私は今でこそ北東北の秋田県に住んでいますが
長年北陸地方で暮らしていました。
北陸で融雪装置といえば、道路からジャンジャカ水が出てくる
写真の想い出の風景です。
このシステムの発祥は新潟県長岡市で新発明なのだそうです。
昭和30年代に亀川軍一さんと今井与三郎さんが自らの負担で試作実験をし
効果を実証してからは長岡市と協力して技術を高めていったそうです。
雪国の苦労を官民協力して改善していった歴史は素晴らしいですね。
基本的には冬場でも温度変化が少なく冬の外気温に対して暖かい地下水を
利用したシステムです。
豪雪地帯は地下水が豊富な地域が多いことも北陸地方に広く普及した理由でしょう。
ただ長年の地下水利用によって地盤沈下が大きくなっている地域もあり
開発当初では想定しきれなかった部分も出てきているのが現状のようです。
地下水とは、地面の中に洞窟があって水が流れているわけではありません。
土の粒子の隙間を水がゆっくりと移動している地層があります。
それには土圧水圧が掛かっているので、
井戸を掘れば水が湧き出てくる、それが地下水です。
地下水の汲み上げ過ぎで地盤沈下が発生すれば
それが元に戻ることはありません。
地下水の地層は水が減れば土粒子の隙間が潰れて高密度になります。
地球誕生から数十億年単位で形成されてきた地層です。
地層の組成変化は一度起これば人の力では元に戻すことは不可能です。
これは地下水が有限の資源であることを意味しています。
これは融雪装置に限った話ではなく、
工業用水としての地下水汲み上げも地盤沈下の大きな要因です。
この地盤沈下は7大公害の一つなのです。
ちなみに、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭が
その七つです。
人が暮らし、便利さを追求する。
その陰で地球環境は変化しています。
地球温暖化の問題は今や全人類共通の問題と言われています。
ただ、太陽光も風力もこれから開発される新しいエネルギーも
環境に良いとの謳い文句で世に出てくるとは思いますが、
当初の想像を超えたところで、子の世代、孫の世代で問題視されるのが
人の世の常なのだろうと私なんかは思います。
江戸時代くらいの生活水準が丁度良い、といった学者さんも居ました。
ただ便利さを享受してしまった我々には難しいでしょうね。
利益を追求してきた資本主義が行きつく先は何処にあるのか。
心配半分、諦め半分、興味少々といった思いです。
最終処分場業務として、環境に負荷を掛けない適正処理をする。
我々の立ち位置はここにあり、頑張りどころです。
だいぶ話が脱線してしまいました。
秋田県沿岸部の冬は低温で風雪が厳しいです。
なので、道路から水をシャワーするとツルンツルンに全て凍るので
この手の融雪装置、消雪パイプは見掛けません。
冬本番では道路は真っ白の圧雪になります。
車を運転する際は十二分に気を付けて、安全第一でゆきましょう!
処理センター 邑上