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「菌とウイルス」


こんにちは!水処理の倍賞です。
寒い日が続きますが、皆様病気などせずに過ごしていますか??

寒くなると毎年流行するのがインフルエンザ。
他にも、いろんな病気が起こりやすい時期です。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる病気です。
さて、ここで「菌」と「ウイルス」の違い、ご存じですか??
この違いを理解することで、役立つことがあるかもしれません!

まず「菌」は細胞を持ち、自己増殖できる「生物」です。
ですので病気になった原因が菌である場合には、一部の耐性菌を除けば
「抗菌剤」(抗生物質と呼んだりもします)で弱らせることができます。
抗菌剤は菌細胞を壊したり、菌が増殖できなくすることで無害化するお薬です。

ですが「ウイルス」は細胞を持たず、自己増殖もできないため生物ではありません。
(厳密には、生物だという研究者と、非生物だという研究者に分かれるようです。
理科の教科書では、生物と非生物の中間的な存在とされています。)
生物ではないので抗生物質で対抗することはできません。
なので、風邪(ウイルス性のものが一般的です)やインフルエンザには
抗生物質が処方されないのです。

人類が新型コロナウイルスに苦しめられたのも、
抗生物質で倒せるものではなかったことが大きかったと思います。
なお生物でないことを利用するならば、有効な感染対策に加湿があります。
加湿はウイルスを空気中から床に叩き落とすのに有効です。

菌であれば自己増殖できるので床で増える…なんてこともありますが、
ウイルスは他の生物の細胞内に入り込まないと増殖できません。
床に落ちている分には、それに触れた手を口に入れたりしない限り問題ありません。
あとは掃除で排除すればよいと思います。
とにかく「空気中のウイルスを吸い込む」が一番の感染源でしょうから、
適度な湿度を保つことは健康維持に有効です。
ただし、湿度60%を超えてくるとカビ等の繁殖に繋がりますのでご注意を!

そして人類は、昔から「菌」とはうまく共存してきました。
発酵食品しかり、水処理しかり、人の力では難しいことを、
代わりに菌にやってもらってきました。
その一方で人間に害を与える菌は抗菌剤で倒してしまうのですから
菌からしたら「なんだこいつら、都合のいいときばかり利用しやがって」と
思っているかもしれません(笑)
ちなみに、人間に有益な「ウイルス」というものは非常に少なく
害をなせば倒すしかないのに倒すのも難しいし、
かといって有益なこともない……といった非常に厄介な存在だったりします(^^;

そんな具合で、ここの水処理施設も菌たちに大いに助けられながら施設運用しています。
ここで働いている菌で一番の働き者は「硝化菌」と「脱窒菌」です。
このふたつは土壌にも多く含まれる菌で、農家さんにとっても非常に有益で、
人間にとっては欠かせないパートナーです。
菌は生物ですから、やはりその菌ごとに住みよい環境というものがあります。
私は水処理の仕事のひとつを「菌が住みよい環境を整えてあげること」だと考えています。
そのために様々な分析をし「居心地はどうですか?」とお伺いを立て、
「ちょっとこの部分が好きじゃないんだよね」と言われれば、
「わかりました」と整えてあげるわけです。
そうして我々人間にとって負荷の少ない水に変換して放流しています。

水処理施設というものは、菌の力を借りないで運用しようと思うと
本当に大変なものになると聞きます。
これからもウイルスはしっかり除去して健康に!
菌はご機嫌をとって水をきれいにしてもらいながら、
安全・安心な水を放流したいと思います。

                 処理センター・水処理 倍賞

| blog | 10:39 AM | comments (x) | trackback (x) |

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