2024,05,08, Wednesday
「ワラビの思い出」
これはコロナ禍前の話ですが、
5月の連休前後に近くの道の駅へ山菜を買いに行った時のことです。
値段が高くても絶対食べたかったタラの芽をかごに入れて、
『ワラビも欲しいけど出始めだから値段は高いし、量もあまり無いなあ・・・』
買おうかどうか悩みます。
手にとっては戻し、他を見てはまた手に取り、また戻し、
悩んだ挙句ワラビを一束かごへ追加してレジに並ぶと
突然、見知らぬ女性に声を掛けられました。
「そんな高いのに買うこと無いよ、戻しておいで!
取ってきたのを分けてあげるから」
何かの間違い?誰かと間違えていませんか?え?私で合っています?
一瞬何が起きたのかわかりませんでしたが言われた通りにワラビを売り場へ戻し、
レジで会計を済ませるとその女性のご主人らしき男性が手招きしています。
恐る恐る駐車場へ付いて行くと
その女性はビニール袋にどっさりと入ったワラビを満面の笑みで手渡してくれました。
その方は見ず知らずの私が悩んでいる姿を見て、ご親切にもお裾分けしてくれたのです。
私は何度もお礼を言ってありがたくいただきました。
その場で飲み物でも買って渡そうかとも思ったのですが、
数百円のワラビを買うか買わないかで悩んでいた姿を見ていたとすれば
女性の好意に反するような気がして結局何のお返しもできませんでした。
初めてお会いした方ですのでもちろん連絡先も知りませんし、
もう一度お会いしてもお互いわからないと思います。
ワラビは立派でとても美味しく、ただただ感謝していただきました。
さて、こういう時はどうするのが正解なのでしょうか?
そもそも普通は知らない人から食べ物は貰いませんけど(笑)
私は勝手ながらこう考えることにしました。
親切にしてもらったことに有難く感謝して、
自分はいつかどこかで別の誰かに親切にしてこのお返しにすることにしよう!
知らない人に声を掛け、親切にするということは思ったよりもハードルが高くて
数年たった今でも私が実践できた行動はワラビ一袋分には到底及びません。
それでも常に心がけることで自然に声をかけられるような人になりたいと思います。
事務センター 佐藤(ル)
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