「素質を活かす」

突然ですが、収骨の際に遺骨の中でも喉仏(のどぼとけ)が
大切にされている理由を知っていますか。

私たちが普段「喉仏(のどぼとけ)」と呼んでいる部分は、
男性の喉の前面にある甲状軟骨の突出した部分ですが
軟骨は火葬によって消失してしまうそうです。

収骨時に“喉仏”と呼ばれるものは頸椎の2番目の骨(軸椎)なので、
男女関係なく存在しています。
軸椎は輪の形状に丸い突起があり、
仏様が座禅を組んで合掌している姿に似ている事で「喉仏」と呼ばれるそうです。
諸説あるようですが、
火葬後にその喉仏がきれいに残る事が良い行いをした証拠と言われ、
極楽浄土にいけるという説があります。

先日 父が他界しました。
父は急な病に倒れてから身体と言語に後遺症があり、
ほぼベッドで過ごす生活を32年間も送っていました。と言うと
何だか重たい話のようですが、
言い換えてみると32年もの間、会いたい時にはいつでも家に居てくれて
私の愚痴やくだらない話をいつでもニコニコしながら、
そして時には一緒に涙ぐみながら聞いてくれるような優しい父でした。

その父の収骨の際、火葬場の職員さんが次々と骨の説明をしてくださいました。
足元から腰、肋骨、頭蓋骨、そして「こちらが喉仏です、きれいに残られています」と。

喉仏が残る事の意味を知っていた私は心の中でガッツポーズです。
そこから続けて職員さんが説明します。
こちらは喉仏の上の“袈裟”と言われるお骨です。
 仏様が身に着ける袈裟に似ている事からそう呼ばれています。
 皆様良かったらお近くでご覧ください。
 この様にきれいに残られているのは、とても珍しいことです。


…袈裟というお骨がある事を知りませんでしたが、
職員さんの様子で喉仏より貴重だという事を察した私は
思わず「さすがお父さん」と呟いてしまいました。

※撮影は禁止なので、これは参考写真です。喉仏に袈裟を被せて納骨をしました。

振り返ると、父には沢山の愛情と優しさをもらいました。
私は父の娘、良い行いが出来る素質はあるはずです(笑)
これからはその素質に磨きをかけられるような生活を送っていこうと思います。

             ㈱セイフコ エコプラネット富士 大森 

| blog | 10:36 AM | comments (x) | trackback (x) |

 

PAGE TOP ↑