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「水処理施設の仕事って?後編」

前回の内容では水の中の汚れを微生物によって
分解するという事をメインに説明しました。
今回はその続きの処理方法について説明したいと思います。

窒素が空気中に放出された水は
『再曝気槽』というところへ行きます。
再曝気槽ではもう一度曝気をして
空気を十分に送り込むほかに、
水の中に残ってしまったメタノールを蒸発させて
取り除く効果もあります。

このもう一度曝気された水は
『混和槽』とその次の
『凝集槽』というところへ行きます。
水の中にはまだ小さな微生物や汚れが浮いています。
この汚れを、薬品を使って大きく固めて水の中に沈めて、
水をきれいにするところがこの二つの槽となります。
混和槽ではPACという薬品を入れて、
小さな汚れ同士がくっつきやすくします。
凝集槽では高分子ポリマーという薬品を入れて
汚れ同士をくっつけて大きな塊にします。

水の中の汚れを塊にした後は
『凝集沈殿槽』という所に行きます。
凝集沈殿槽では沈殿槽と同じように
水の中にある汚れの塊を底に貯めて
引き抜く構造になっています。
混和槽、凝集槽でできた大きな塊の汚れは
ここで引き抜かれて汚泥となります。

凝集沈殿槽で汚泥を減らした上澄みのきれいな水は
『中和槽』へ行きます。水にはpHという性質があります。
皆さんも酸性とかアルカリ性という言葉を
聞いたことがあるかもしれません。
ここまで流れてきた水が
酸性かアルカリ性かを測定してちょうど良い状態(中性)に
調整するところが中和槽となります。

中和槽を通った水はポンプでくみ上げられて
『活性炭吸着塔』へ行きます。
活性炭吸着塔の中には、
その名の通り活性炭が入っています。
(よく浄水器の中に入っているアレです。)
活性炭には目に見えないほど小さい穴が
いっぱい空いていて、
その穴に汚れがくっつくため
目に見えない小さな汚れも取り除いてしまう
凄い性能を持っています。
この活性炭に水を通して、
残っている汚れをきれいに取り除いてしまいます。

ここまでの処理でも十分にきれいになっているのですが、
さらに私たちの処分場では
『オゾン発生装置』によるオゾンでの処理を行っております。
オゾンというものは以前別の方のブログでも
出ておりましたが
酸素原子が3個くっついた構造をしています。
水の中の汚れと強く反応する性質を持っており、
時間がたてば酸素となって無害になるという性質があります。
このオゾンを空気に電気を放電して作り出し
処理水と反応させています。
オゾン処理施設は水道などでは
使われているところがありますが、
処分場で使っているところは私たちだけなんです。
(2014年現在)

こうしてきれいになった水を
しっかり分析で確認をして地域の河川に放流しています。
私たちが働いている水処理施設の処理は
このような流れで進んでいます。
普段なかなか見ることができない施設の解説でした。

                    テクニカルセンター 板谷


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