「酸素がなくても平気です」

こんにちは!テクニカルセンターの佐藤です。
いよいよ桜も咲いて、雪国秋田にも春がやってまいりました♪
畑や田んぼの作業が始まる時期でもありますね。
というわけで、
今日は作物の生育に関係する水処理のお話をします。

作物の生育に影響を与える物質はたくさんありますが、
今日の主役は「窒素」。
(窒素の元素記号はN。
今回出てくる物質の化学式には全部Nが入っています。)
窒素は、肥料の三要素の一つでもあり、
葉を大きく成長させるのに役立ちます。
ですが、もちろん過剰に与えるのはNG!
そんな窒素は、処分場からの浸出水の中に
「アンモニア(NH4)」として多く含まれています。
もちろんそのまま放流することはできないため、
これを水処理施設で除去するのですが、ここで活躍するのが
「脱窒細菌(だっちつさいきん)」と呼ばれる細菌たちです。

この脱窒細菌、なんと酸素がなくても平気なんです!!
人間含め、多くの動物は酸素を使って呼吸をするので、
酸素がなくては生きていけません。
ですが、脱窒細菌は酸素がない状態になると亜硝酸(NO2)
または硝酸(NO3)を利用して呼吸することが出来るんです。
そのため、水処理施設では処理前段で、
まずはアンモニアを亜硝酸または硝酸に変化させ、
それを脱窒細菌に処理(呼吸)してもらうことで
窒素ガス(N2)として空気中に放出します。
つまり、窒素(N)の流れは…
 NH4 → NO2 → NO3 → N2
となります。
これで水中の窒素濃度は下がるわけです。


写真は、水中の酸素濃度を測るDO(溶存酸素)計。
これで、脱窒槽内がちゃんと嫌気性(酸素がない状態)に
保たれているかを毎日チェックしています。
(写真は数字がゼロなので嫌気性になっていますね。)
それにしても、酸素がなくても生きていけるなんて
なんてたくましいんでしょう。
人間も見習いたい…と言いたいところですが、
人間は残念ながら硝酸イオンを使って呼吸することは
できないので、
脱窒反応は細菌くんたちにお任せしたいと思います。

                    テクニカルセンター 佐藤(文)

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